日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

各地の郷土玩具

佐野土鈴(栃木県佐野市)

天正年間(1573~1592)、江戸の今戸(現在の台東区)の土風炉・今戸焼の 技術を継承したことを起源とする。 干支や縁起物に因んだ様々な形の土鈴が作られていたのだが、相澤市太郎が物故され 廃絶したとのことだったが、相澤俊作氏が跡を継いだよう…

朝日森天満宮の鷽(栃木県佐野市)

さて、先日ブログにアップしました栃木県佐野市天神町807に鎮座する「朝日森天 満宮」。 nihonshiseki.hatenablog.com 平成30年(2018)より菅原道真を祀る天満宮で行われている鷽替え神事が行わ れています。 朝日森天満宮でも、毎年1月下旬の土…

唐招提寺 宝扇(奈良県奈良市)

『唐招提寺宝扇由来記』によれば、鎌倉時代の唐招提寺中興の祖・覚盛上人が座禅 中、団扇で蚊を追い払おうとした弟子に対して、血を与えるのも菩薩行と戒めた徳を讃 えた法華寺の尼僧がハート形の団扇を供えたことが始まりとされています。 覚盛上人の命日(…

少林山 達磨寺のだるま土鈴(群馬県高崎市)

今回ご紹介するのは、群馬県高崎市鼻高町にある少林山達磨寺のだるま土鈴!! 少林山達磨寺は全国的にも有名な寺院だと思います。がっ、あまりにも近所であった のでこれまで境内の社務所に並んでいる授与品なんて確認したことがなかったのですが 先日、少…

祝鶴(宮崎県西臼杵郡日之影町)

長寿や夫婦円満を象徴する鶴をモチーフとした郷土玩具。 隣接する高千穂は日本神話で知られる地域であり、しめ縄を玄関に年中飾る風習が残 っていることから、しめ縄作りが盛んに行われています。 「祝鶴」はわら細工用に育てた稲をまだ青いうちに収穫、乾燥…

青山窯 夫婦埴輪(奈良県桜井市)

昭和45年(1970)、畝傍山麓に大和三山(天香具山・畝傍山・耳成山)に因 み、初代・太田青山が「青山窯」を開窯しました。 主として縄文時代から飛鳥、白鳳天平時代、特に正倉院遺宝などの装飾文様を参考 に、古典美を現代的にアレンジした独特の製法…

神農さんの虎(大阪府大阪市)

文政5年(1822)、コレラ(虎狼痢)が対馬、下関を経由して大阪や京都で大流 行し、三日も経てば亡くなることから<三日コロリ>と人々に恐れられ、死者は十数万 人にも達したと推計されている。 この際に道修町の薬種商が虎の頭骨や雄黄など10種の和…

弥治郎系こけし(宮城県白石市)

白石市福岡八宮弥治郎地区を産地とする「弥治郎系こけし」。 宝暦年間(1751~1764)、弥治郎地区の農民が副業として制作を開始し、妻 女が程近い鎌先温泉で土産物として売り歩く《鎌先商い》をしたという。 享和3年(1803)の記録には、木地師…

須坂の土笛(長野県須坂市)

須坂土笛の会によって作成されている郷土玩具が「須坂の土笛」である。 かつて須坂を訪れた際には販売されていなかった(気付かなかった?)気がする。 今回「田中本家博物館」ミュージアムショップで販売されていたので、早速購入した (^^♪ その由緒は不明…

氷川神社の土鈴(埼玉県さいたま市)

武蔵一宮・氷川神社で授与されている土鈴は九種類。いずれも雅楽に関する土鈴であ る。 今回購入したのは「東游(あずまあそび)」である。 安閑天皇の御代に有度浜(現在の三保の松原)に舞い降りた天女の舞った姿から作ら れた舞といわれています。 東大寺…

平群町の「鐘馗」瓦

平群町のふるさと納税返礼品として「鐘馗」瓦をチョイスしました(^^♪ 数々の文化財を手掛ける「山本瓦工業」さんの熟練の瓦職人によって作成されていま す。 鐘馗さんは、中国に伝わる神であり、日本でも古民家等の屋根に飾られているので見 かけたことがあ…

豆きゅーぶシーサー(沖縄県中頭郡読谷村)

その起源は明らかではないが、琉球瓦職人が仕事をくれた家主への御礼として、余っ た赤瓦と漆喰で作製したのが始まりとされる。 琉球漆喰は、ヒビ割れ防止のため藁を石灰に混ぜて練り上げたもので「ムチ」と呼ば れ、古くから様々な建造物に使用されています…

初辰の猫(大阪府大阪市)

大阪市住吉区に鎮座する住吉神社境内の末社・楠珺社ゆかりの商売繁盛の縁起物とし て授与される紋付羽織の高さ4cmほどの小さな土製の招き猫である。 月初めの辰の日に毎月参詣し、偶数月は金運を招く右手を挙げた猫、奇数月は人を招 く左手を挙げた猫を求め…

三条凧(新潟県三条市)

さて、今回ご紹介するのは「三条凧」。 ここで問題です「三条凧」の読み方は?解答はその、起源の終わりで!! 慶安2年(1649)、三条に村上藩の陣屋が築かれる(飛び地領支配のための陣屋 は各地で見られますね)と、旧暦の端午の節句に凧揚げが推奨さ…

三春張り子(福島県郡山市)

江戸時代初期、三春藩主・秋田倩季が、農閑期の副業奨励のため、参勤交代で江戸下 向した際、人形師を伴い帰国。藩内の高柴にでこ(人形)屋敷を与え、人形製作の技法 を農民に習得させたのが始まりとされる。 江戸時代中期以後、最盛期を迎え、人形の種類は…

手向山八幡宮の立絵馬(奈良県奈良市)

天平勝宝元年(749)、手向山八幡宮は東大寺造営の際、豊前國宇佐八幡宮から鎮 守として迎えられ、創建された。 奈良時代、雨乞いの際には黒馬を奉納し、晴天を祈願する際には白馬を奉納する風習 がありました。やがて土馬や木馬、板立馬、絵馬へと変化し…

市原人形(岐阜県瑞浪市)

美濃焼の産地として知られる岐阜県瑞浪市市原地区で、江戸時代末期に製作され始め たという。 明治時代中期には、犬山土人形の製作者である野呂松次郎を招き、土人形の製作法を 学び、農閑期の副業として益見地区や山田地区などにも広まった。 庶民用の土製…

小沼のわら馬(長野県中野市)

中野市延徳地区の小沼の「もち替え」は中野市指定無形民俗文化財であるが、わら馬 はその一端を担う民俗資料である。 毎年3月8日早朝、地区の各戸からわらを編んだ「ワラツト」にあんこやきな粉を付 けた餅を入れ、わら馬と一緒に持参し、集落中央に建つ庚…

昇り猿(宮崎県延岡市)

江戸時代、延岡藩内藤家の下級藩士の妻たちの手内職として始められたとされるが、 諸説あります。 ① ニニギノミコトが高天原に降臨した際、猿田彦は武将として功績を挙げましたが、 その後も粗暴な振る舞いが治らず、アマノウズメノミコトに悪戯したのを諫め…

木牛(新潟県小千谷市)

木牛は江戸時代から伝わる牛の角突き(闘牛)行事に因む郷土玩具であり、丸木の片 端を削った頭に曲がった小枝の角を付けて作成されている。 子供たちは木牛を使って闘牛遊びに興じたという。 平成16年(2004)の中越地震によって大きな被害を受けた牛…

大津絵(滋賀県大津市)

東海道、逢坂関の西側に位置する近江国追分(髭茶屋追分)を発祥の地とし、寛永年 間(1624~1644)頃に仏画として描かれ始めた。 当初は信仰の一環として描かれたものであったが、やがて世俗画へと転じ、18世紀 頃からは教訓的・風刺的な道歌を伴…

甲州凧(山梨県南アルプス市)

江戸時代、江戸の商人によってもたらされたと伝わっているのが「甲州凧」。 特徴として、江戸凧よりも大きく畳数畳の大きさであること。絵柄に浮世絵が描かれていること。そして、凧の特徴であるしっぽ(凧の飛行を安定させる)がなく、骨組みの組み方や重量…

会津唐人凧(福島県会津若松市)

会津から遠く離れた長崎地方に伝わるバラモン凧と形が共通する強風用の凧で、凧の図柄は日の出、武者絵などがあるが、この「会津唐人凧」は大きな口から長い舌を出した《ベロくん出し》と呼ばれるもの。 江戸時代に長崎から会津に伝わったとされるが、何故伝…

おがわ張り子(埼玉県比企郡小川町)

小川町は和紙の里として知られており、張り子も和紙から作られるもの。 以前は張り子製作されていなかった(?)ですが・・・、近年製作され始めたみたいですね。 ふるさと納税、TV番組の背景にも郷土玩具が登場しており、各地で郷土玩具って古き良きもの…

行田足袋(埼玉県行田市)

江戸時代前期より行田市では足袋づくりが開始され、周辺地域で綿栽培や青縞生産が盛んであり原料の入手が容易であったことから地場産業として発展した。 明和2年(1765)の道中案内には「忍のさし足袋名産なり」と記されるほどとなり、江戸時代中期以降…

房州うちわ(千葉県木更津市)

京うちわ、丸亀うちわとともに、日本三大うちわである「房州うちわ」。郷土玩具という分類ではなく、伝統的工芸品ですが・・・、日本の良い逸品は紹介しなければなりません。 房州(千葉県南部)は、うちわの材料となる柔軟性に富んだ良質な女竹の産地であり…

野沢温泉村の道祖神(長野県下高井郡野沢温泉村)

野沢温泉村の道祖神祭りは、毎年1月13日から15日、壮大な規模で行われる。祭りがいつ始まったのかは明らかではないが、道祖神碑には「天保十巳亥年」と刻まれ、河野家文書「文久三年道祖神小豆焼帳」などから江戸時代後期には行われていたことが明らか…

野沢温泉の鳩ぐるま(長野県下高井郡野沢温泉村)

天保年間(1830~1844)、野沢温泉村に自生する木通蔓を利用して作成されたという。 当初は籠や土瓶敷きなどが作成されていたのだが、次第に鳩ぐるまや唐人笛、乳母車など玩具類が作られたとされる。 昭和36年(1961)、長野市で開催された産…

戸沢の藁馬(長野県上田市)

長野県上田市真田町長の戸沢地区に伝わる郷土玩具である「戸沢の藁馬」。 毎年2月第2日曜の午前7時から8時、子供たちが無病息災を祈り、わらの馬を引いて道祖神を参る行事が行われており、藁馬の背には米の粉を餡でくるみ、動物や木の葉を模した「ねじ」…

蘇民将来(長野県上田市)

真田氏ゆかりの城下町にある国分寺八日堂の毎年1月7日午後から8日の縁日で授与される厄除けの護符である。 蘇民将来とは、古代より日本各地に広まった蘇民信仰、蘇民説話に基づくお守りであり、ドロヤナギ(ヤマナラシ)の原木を六角形の形に削り、側面に…