【 旧横浜正金銀行本店 】
所在地: 横浜市中区南仲通5-60、弁天通5-69
※ 現在の「神奈川県立歴史博物館」である。
安政6年(1859)、日米修好通商条約に基づいて開港した神奈川(横浜)においても、外国商人たちが貿易金融取引を主導していた。
これを改善するため、明治13年(1880)2月28日、国立銀行に準拠する横浜正金銀行が設立されている。
横浜正金銀行は外国との貿易によって生じる日本の不利益を軽減するため現金での取引を主に行っています。
その後、明治政府の保護の下、外国貿易関係業務を専門的に担当する銀行として成長し、大正8年(1919)には世界三大為替銀行に数えられるほどとなっています。
「旧横浜正金銀行本店」は、明治33年(1900)、工学博士・妻木頼黄が設計し、ドイツルネサンス様式を取り入れ、屋上部分の八角形ドームを特徴とし着工され、明治37年(1904)、完成しています。
煉瓦及び石造。三階建地下一階。正面中央八角塔屋付、ドライエリヤ石塀附属。
大正12年(1923)の関東大震災、昭和20年(1945)の横浜大空襲と言った災禍も乗り越えています。
第二次世界大戦後、GHQの指令によって横浜正金銀行は解体され、外国為替銀行としての役割は東京銀行(現在の三菱UFJ銀行)に引き継がれています。
建物自体は、東京銀行横浜支店として使用されましたが、昭和39年(1964)、神奈川県が建物を買い取っています。
昭和42年(1967)、増築した新館とともに「神奈川県立歴史博物館」として開館。
平成7年(1995)、外観が良く保存され、優れた意匠をもつ洋風建築で、明治以降の建築物をともなう遺跡ということで国指定史跡となった。
※ 昭和44年(1969)には建物が国指定重要文化財となっている。
( 「神奈川県立歴史博物館」 正面入り口 )
(参考資料)
神奈川県立歴史博物館 公式HP
現地案内板