【 佐野屋敷跡 】 評価 ★
別 名: 伝佐野源左衛門常世屋敷・寺前館
所 在 地: 高崎市上佐野町字寺前
築城年代: 室町時代
築 城 者:
区 分: 屋 敷
現 状: 寺社境内・宅地
昭和50年(1975)3月から昭和57年(1982)4月にかけて上越新幹線建設に伴う発掘調査が実施された「下佐野遺跡Ⅰ地区・寺前地区」の一部である。
「寺前館(寺前地区1号館跡)」として、平成元年(1989)㈶群馬県埋蔵文化財調査事業団発行『下佐野遺跡1地区・寺前地区』に掲載されている。
調査によって井戸跡2、土坑10、溝跡3が遺構として検出し、焼締陶器、軟質陶器壺、鉢、内耳鍋、土師質土器皿、銭、銅製品、砥石、石臼、五輪塔、板碑等が遺物として出土している。
南西角の堀の一部も検出しており、幅は約2.8m、深さ約0.9m程で、比較的小規模であり、単郭の屋敷と考えられる。
遺構・遺物から十五世紀から十七世紀初頭にかけての時期と推定されている。
謡曲「鉢木」で知られる佐野源左衛門常世の屋敷と言う伝承も残されているが、関係の遺物は出土していない。
屋敷跡の西の崖を下ると「佐野の舟橋」であり、河岸があったと考えられることから、それに関係した屋敷と推測されている。
さて、「下佐野遺跡1地区・寺前地区」の発掘調査では4城館址が確認されている。とはいうものの遺構が確認出来るのは1城館址のみである。
しかし遺構はなくとも城館址であることに変わりない。4城館址を攻略可能な地であるから城館めぐらーには美味しい地である。
(参考資料)
新編 高崎市史 資料編 3 中世1