日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

「一ノ宮長坂遺跡」発掘調査現地説明会(群馬県富岡市)

 

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                  ( C区 )

 

 富岡市一ノ宮659-1にある「一ノ宮長坂遺跡」発掘調査現地説明会が行われました(^^♪

 「一ノ宮長坂遺跡」は、貫前神社が所在する丘陵の西斜面に位置しています。

 

 9時、10時、11時の三回実施され、80名の参加者がご来場下さいました。

 

 さて、気になる遺構ですが…、全てご紹介すると厖大な記事になってしまいますのでピックアップしてご紹介したいと思います(^^♪

 

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              ( C区 埋没谷 )

 

 弥生時代後期から9世紀頃までに埋没したことが出土した遺物から明らかとなった。谷は幅10m、深さ2mほどであり、何度も洪水によって土砂崩れが発生したことが明らかとなっています。

 

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         ( C区 古墳時代後期遺物集中箇所 )

 

 埋没谷隅には遺物が集中して出土する箇所があり、何度となく土砂崩れが発生したことから、これ以上起こらないことを願って祭祀が行われたのではないか?と担当者は推測されていました(^^♪

 

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            ( 現地説明会の模様 )

 

 さて、B区に移動致しまして…。

 

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             ( 15号住居址 )

 

 牛伏砂岩の切石を用いたカマドと、粘土を張った貯蔵穴が検出されていますが…、

 

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 獣骨(これは馬の歯ですね)も検出しています。なかなか珍しいんじゃないでしょうか(^^♪

 

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 11号住居址、カマドの残存度合い素晴らしくないですかぁ(*^^*)

 

 このカマドの上部には、浅間B軽石(AsーB)が確認出来ますから、天仁元年(1108)以前に住居が営まれたことが明らかです(^^♪

 おおっ、以前ならばテフラの話聞いても???だったのに、しっかり学んでいる成果が感じられますわぁ(^^♪

 

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 こちらの遺構が「一ノ宮長坂遺跡」最大の成果と言っても良いようです。

 

 1号掘立柱建物址です(^^♪ 5.5m×3.5mほどの規模で、平安時代に営まれた住居のお堂ではないか?との見方をされています。

 前述したように、上野国一宮である貫前神社から約300mほどであり、北向きに建物が建てられていたことから貫前神社との関わりが考えられるようです。

 

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 最後にF区。ここからは通路状遺構?が検出しています。

 

 この性格は、貫前神社に向かう裏参道ではないか?と推測されています。

 

 今回、本当に久しぶりに発掘調査現地説明会に参加してみて、やっぱり考古学って面白いなぁと感じます。

 遺跡から検出される遺構・遺物、周辺の遺跡などから考察することの奥深さ。

 

 本格的に考古学を学んでから、こうした機会に参加するたびに少しづつではありますが、成長していることを感じます(^^♪

 まったく成長していないというわけではないので、これからもしっかり学んでいきます(^^♪