日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

忍三郎館跡(埼玉県行田市)

 

  【 忍三郎館跡 】         評価 ★

 

    別  名:

    所  在  地: 行田市駒形1-4-18

    築城年代:    鎌倉時代

    築  城  者:     忍三郎

    区  分:      館

    現  状:     遍照院

 

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 『吾妻鏡』に記されている忍三郎・忍五郎・忍小太郎・忌入道がこの地の館で居していたとされる。

 

 建久元年(1190)、源頼朝上洛の際、付き従った武蔵武士の中に、忍三郎、忍五郎の名が見られるが、その後の事績については不明である。

 

 忍氏の出自については不明な点が多く、一族の中には菅原姓を名乗っていたものも居たということから、菅原道真を祖とするとも考えられている。

 

 戦国期、羽生城主・広田直繁は忍氏の末裔ともされる。

 

 『新編武蔵風土記稿』には、「吾妻鏡所載の忍三郎、同五郎、同小太郎、忌入道は当地に住せしも、此頃城塁ありしとは思われず」と記載されており、江戸時代には城館址であるとはわからない(すなわち遺構など残存していない)状態だったようである。

 

 現在「遍照院」が建つ地が館跡とされるが、石碑の類もなく、案内板にも忍氏に関しての記載はない。

 遍照院に関しては藤原秀郷との関係があること、御朱印もあるということで別紹介としたい。

 

 (参考資料)

   埼玉の館城跡        埼玉県教育委員会    国書刊行会

   武蔵武士        渡辺世祐・八代国治     有峰書店