日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

戸塚神社古墳(群馬県藤岡市)

 

  【 戸塚神社古墳 】

 

       所在地: 藤岡市上戸塚字熊野363

 

f:id:nihonshiseki:20200118110838j:plain

 

 墳丘長53m、前方部幅41m、前方部高4m、後円部径30m、後円部高2.5m。

 

 6世紀後半に築造された前方後円墳である。別名を「お熊さま古墳」、「熊の山古墳」、『上毛古墳総覧』では、「神流村1号墳」と記載されています。

 

 主体部は南西に開口する両袖型の横穴式石室で、玄室と羨道からなり、玄室平面は徳利形で、羨道はやや胴張りになっている。

 

 石室の大きさは全長8.1m。玄室長4.2m、玄室奥幅2.5m、羨道長3.9mであり、羨道前には細長い前庭が設けられています。

 

 石室の壁は、玄室が河原石の乱石積で、羨道は細長い片岩の小口積です。

 

 天井石が露出していることから、上屋と金網塀で石室は保護され、石室内部も土嚢で保護?されちゃっています💦

 

f:id:nihonshiseki:20200118110909j:plain

 

 平成5年(1993)、発掘調査が実施されており、墳丘に葺石が施され、埴輪列の存在も確認されています。

 

 石室からは、圭頭大刀、方頭大刀、刀子、鉄鏃、馬鈴、飾金具、銀環、切子玉、管玉、勾玉、須恵器(短頸壺・提瓶・横瓶など)、土師器(高坏)などが出土しています。

 これら副葬品は東京国立博物館に収蔵されています。

 

 藤岡地域も古墳が多い地域であり、毛野國の一大勢力であったことがうかがえます。出土品からも畿内勢力との関係が考えられます。

 

 (参考資料)

   上毛古墳総覧           群馬県教育委員会

   藤岡市史 資料編 原始・古代・中世

   藤岡の文化財探訪         藤岡市教育委員会

   現地案内板