日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

旧茂木家住宅(群馬県富岡市)

 

 【 旧茂木家住宅 】

 

   所在地:   富岡市宮崎329 宮崎公園内

   入館料:  大人 ¥100 中学生以下 無料

         休館日: 月曜日(祝日の場合はその翌日) 祝日の翌日

         年末年始(12/28~1/3)

 

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 旧茂木家住宅はもともと富岡市神農原にありました。屋敷があった場所には今も土塁と思われる起伏が見られ、周囲には石垣に使用したと思われる石が残されています。

 

 屋敷北側には暗渠となっているが水路があることから、石垣を用いた土塁と堀に囲まれた土豪屋敷であったと思われます。

 

 そんな茂木氏は戦国時代、国峰城主・小幡氏に従っており、支城である宮崎城の枝城・大山城主を務めていました。

 戦国時代末期には後北条氏に属したために、天正18年(1590)、小田原の役で没落し、江戸時代には代々神農原村の名主を勤めました。

 

 

 住宅は大永7年(1527)建築されたと伝えられ、文化12年(1815)の古文書にも「大永七丁亥年建と有」と記され、さらに宝永5年(1708)、文政11年(1828)の大規模修理の際には、古文書と同様の内容が記された墨書が納戸の大曳や座敷の桁に見つかっています。

 こうしたことから、「旧茂木家住宅」は大永7年建築はほぼ間違いないものと推定され現存民家の最古の建物とされています。

 

 桁行16.2m、梁間8.6m。切妻造。

 

 建物の特徴は、

  ① 板葺の石置屋根であること

  ② 柱は直接棟を支える棟持柱で、梁は細く屈曲しており、古代の掘立柱建物に通じ

    る小屋組構造であること

       ③ 柱材は手斧ではつった多角形丸太であること

  ④ 田の字形の間取りになっていないこと

 が挙げられ、近世以前の民家の特徴が見られます。

 

 

 また、宮崎公園は季節季節の花々が咲き、「旧茂木家住宅」を利用して企画展も随時開催されています。

 日本最古の民家として知られ、『建築史』を学ぶ上で是非訪れてもらいたい古民家です(^^♪

 富岡市には世界遺産富岡製糸場や貫先神社、群馬サファリパークなど見どころも多いです。訪れた際には是非「旧茂木家住宅」もお願い致しますm(__)m

 

 (参考資料)

   富岡市文化財       富岡市教育委員会

   現地配付パンフレット

   現地案内板