日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

木戸沢番所跡(群馬県高崎市)

 

  【 木戸沢番所跡 】              評価 ★

 

   別  名:

   所  在  地:  高崎市倉渕町川浦字大峰2633-2

   築城年代:

   築  城  者:

   区        分:          番 所

   現   状:            民 家

 

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 烏川上流の川浦地区月並集落西端に「木戸沢番所」は存在した。関東から善光寺へ至る道筋にあたり、大笹を経て北信へ通じる善光寺道の番所である。

 

 番所が構えられた年代は不明であるが、川浦廻り善光寺道は中山道碓井関、信州街道大戸関にはさまれた間道であったことから、関所の検問を避けたものが秘かに通ることを警護するために設置されたという。

 

 設置以来、坂下五ヶ村(三ノ倉・権田・水沼・岩氷・川浦)で番役を勤めてきた。番役の人足は一ヶ村ごとに毎日2人宛日夜勤めているので、毎日10人で警護に当たっていたということになる。非常時には大戸関加番のほか8人に加増されている。

 

 五ヶ村には番役のほか、中山道松井田宿・坂本宿への代助郷、当分助郷、川除普請、大戸関所の修復などが課されており、相当の負担であったことは想像に易い。

 

 明治2年(1869)4月、明治政府によって関所が廃止されると「木戸沢番所」も廃されたと思われる。

 

 

 遺構は全く残らないものの、旧倉渕村教育委員会によって設置された案内板があることが嬉しい。

 

 

 (参考資料)

  信濃をめぐる境目の山城と館 上野編   宮坂武男   戎光祥出版

  現地案内板