平成27年(2015)6月18日 第1刷発行 D.アトキンソン
東洋経済新報社 ¥1500+税
遅きに失した感が否めないが、遅まきながら某S首相も感銘を受けた著書を読んでみた。
S首相はこの一冊を読み、政策の参考にしたと公言しているようである。確かに政策に参考になることも記述されてはいるが、この著書を鵜吞みにし、実際の各地の実情を知らずに観光政策を立案しようというのは愚の骨頂である。
某は観光考古学分野で必要な考え方も記述されていることから読破した次第である。
現在Go To 〇〇といった政策がそこかしこで行われているが・・・、果たして疲弊した地方への経済政策になっているであろうか?人気観光地とそうでない地域との差は明らかではないか?
旅行代理店やバス会社というものの立案するプランは人気観光地へと集中する傾向がこれまであったのだから当然のことである。
これからは観光学を学んだものを雇用し、より魅力的な観光プランを立案し得る人材が旅行代理店には必要である。観光考古学もより活発な活動を行い、日本各地の知られざる観光資源に光を当てる一助となることが求められる。
その意味で『新・観光立国論』は読んでおかねばならぬ一冊であろう。