日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

湯沢のお地蔵さま(群馬県高崎市)

 

  【 湯沢のお地蔵さま 】

 

   所在地: 高崎市上豊岡町

 

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 平成28年(2016)、高崎市では各町に2~3ヶ所、名所旧跡案内板が設置されました(183ヶ所に設置)。

 

 「湯沢のお地蔵さま」もそのうちの1つ。

 

 左側の「石造地蔵菩薩立像」は、宝暦3年(1753)、上豊岡の茶屋本陣・飯野家(現在は市に寄贈され一般公開されています)によって建立された。

 

 現在の地蔵さまは、風雨で損傷したことから、安政3年(1856)に再建されたものである。

 

 太平洋戦争の際、召集令状(いわゆる赤紙)が公布されたものは、必ずお参りし出征するのがこの地の習わしであり、その結果、地蔵さまのご利益で全員が無事帰還したという。

 

 現在では、地域有志によって、毎年8月24日、例祭として縁日が行われ、堤燈・行燈が灯され、祭りが継承されています。

 

 中央は「石造如意輪観音像」であり、建立年代は定かではないものの、女性特有の病気平癒の願掛けと結びついた女人講を行ったことで建立されたものである。

 

 毎年8月23日に香花を供えて祭られ、灯してまだ燃え切らない蝋燭を妊婦が貰い受け、お産の時に家で灯し安産祈願すると、蝋燭が燃え切らないうちに無事出産するとの言い伝えが残されています。

 

 右側は「二十二夜塔」。月待信仰に関する石造物であり、8月22日に縁日が行われます。

 

 こうした道ばたの石造物。各地に存在していますね。なかなか注目されることのない史跡ですが・・・、地域の歴史を伝えるものであり、貴重なもの。

 

 皆さんの身近にもあるはずです!!散歩の途中にふっと気づくこともあるかもしれませんね。これから気をつけて散策してみては如何でしょうか?

 

 (参考資料)

    現地案内板