日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

手向山八幡宮の立絵馬(奈良県奈良市)

 

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 天平勝宝元年(749)、手向山八幡宮東大寺造営の際、豊前宇佐八幡宮から鎮

守として迎えられ、創建された。

 

 奈良時代、雨乞いの際には黒馬を奉納し、晴天を祈願する際には白馬を奉納する風習

がありました。やがて土馬や木馬、板立馬、絵馬へと変化してきた。

 

 立絵馬は絵馬の古い形式を伝えるもので、手向山八幡宮の立絵馬の図柄は、御祭神の

応神天皇が寵愛したあつふさという黒馬に、八幡宮御神寶の唐鞍の馬飾りを簡略化した

ものである。

 

 唐鞍は、『延喜式』左右馬寮の項に「蕃客乗騎唐鞍」とあるように、本来は唐使など

来朝した外国の賓客に対するものであり、やがて天皇践祚、即位の儀である大嘗祭

御禊の際、御幸、勅祭の儀に参向の勅使が騎乗するものとなった。平安時代後期には、

祭神遷座の馬具として多用されるようになっている。

 

 

 絵馬も多種多様であり、本来ならば願い事を記して奉納するべきなのだろうが、コレ

クションするのも良いものである。

 神社の社務所を覗き、気に入った絵馬があったら購入してみるのも面白いものですよ

(^^♪

 

 (参考資料)

   ふるさと玩具図鑑     井上重義    平凡社

   現地配付パンフレット