日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

小室敷石住居跡(群馬県渋川市)

 

  【 小室敷石住居跡 】

 

           所在地: 渋川市北橘町小室字棗久保560-1

 

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 昭和41年(1966)、地元の少年が自然薯のための穴を掘っていた際、偶然土の

中に石が並んでいたのを発見した。

 

 これがきっかけとなり、昭和42年(1967)、群馬大学・尾崎喜左雄教授によっ

て発掘調査が実施された。

 

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 縄文時代中期末葉から後期初頭の敷石住居跡で、地面を掘り窪め床面に平石を敷き詰

めている。敷石は柱穴に沿って、ほぼ六角形に敷かれ、中央に石組の炉が配置されてい

る。

 

 さらに南側出入口部にも石敷きがなされており、その基部には埋甕がある。

 

 居住部は東西径3m、南北径3.35m。出入口部は幅0.7m、長さ2.3m。

 

 縄文時代の貴重な遺構であることから、覆屋を建てて現地保存されている。

 

 

 一応の保存はなされているものの、手入れは行き届いてない状況である。ましてや改

文化財保護法による活用への対応は・・・、言わずもがなですな💦

 

 こうした光の当たらぬ史跡を俯瞰的に捉えて、1日も早く地域の文化財の活用を図ら

ねばならない。「小室敷石住居跡」は県指定史跡であることから、今後も保護されるで

あろうが、未指定の史跡がいつ破壊されるかわからないのである。

 

 (参考資料)

   現地案内板