【 伝香寺 】
所在地: 奈良市小川町24
拝観料: ¥300
( 順慶堂 )
律宗の古刹で、東大寺開山堂の「糊こぼし」、百毫寺の「五色椿」と並ぶ奈良三名椿
「散り椿」で知られる。大和北部八十八ヶ所霊場第10番札所、大和地蔵十福霊場第1
番札所である。
寺伝によれば、天平宝亀年間(770~780)、鑑真和上の高弟である思詫律師
が、故国(唐)を偲び唐風の庵を結び、実円寺と称したという。
天正13年(1585)、筒井順慶法印の母である芳秀尼が、若くして没した順慶の
菩提を弔うため、正親町天皇の勅許を賜り、唐招提寺泉奘長老を招き実円寺を再興。筒
井氏の菩提寺とし、伝香寺と号した。
( 筒井氏五輪塔 )
奈良大学通信教育部に入学し、初めてのスクーリング受講前日に見つけたのが「伝香
寺」であった。この時は午後4時の拝観時間を超えていたことから、また来た時にでも
と思っていたのだが・・・、なかなか訪問していなかった。
『博物館実習(1)』最終日前日。思い出したかのように参拝したのだが、小さなお
寺にもかかわらず、貴重な史跡が豊富にある。
永正12年(1515)銘のある由留木(動)地蔵。
安貞2年(1228)発願年記が願文にあり、春日四所明神の本地仏として造立され
今回撮影を失念した本堂にある本尊釈迦如来坐像は、光背銘に仏師・宗貞の名と酉年
(1585)記述があり、豊臣秀吉発願の京都方広寺大仏の試みの仏と伝わります。
さらにさらに、島左近が筒井家に奉納した南無仏太子像など見たい宝物がたくさんあ
る寺院です。
奈良にはまだまだ広く知られるべき古刹は多いですね。皆さんも踏査してみてくださ
いませm(__)m
(参考資料)
現地配付パンフレット
現地案内板