日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

初辰の猫(大阪府大阪市)

 

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 大阪市住吉区に鎮座する住吉神社境内の末社・楠珺社ゆかりの商売繁盛の縁起物とし

て授与される紋付羽織の高さ4cmほどの小さな土製の招き猫である。

 

 月初めの辰の日に毎月参詣し、偶数月は金運を招く右手を挙げた猫、奇数月は人を招

く左手を挙げた猫を求め、神棚に飾る。

 

 「初辰の猫」が48体揃えば(すなわち4年間継続して楠珺社を参り、授与を受け

る)四十八辰で、終始発達になり満願成就となる。

 

 48体を納めると中猫に変えられ(これも二体あるので、8年継続して参拝すること

となる)、さらに大猫もある(最終的に12年となる)。

 

 「初辰の猫」の起源については詳細不明であるが、江戸時代、住吉新地の商売人や芸

鼓さんたちの楠珺社詣りが盛んになり、商売繁盛に懸けて初辰の日を初辰さんとして月

参りの日としたという。

 

 月参りの日の参拝者を目当てに露天商が店を出すようになり、その中に住吉土人形

扱う店もあった。新地のある店の主人が毎月お参りの後に招き猫の土人形を購入し、神

棚にお祀りしていたところ、店は大繁盛!!

 

 この話が人々に伝わり、初辰参りの時に招き猫を受けることが流行したことに始まる

という。

 

 毎月初辰の日に参拝することは遠方の人には難しいことですが、住吉大社をお参りし

た際に購入してみては如何でしょうか(^^♪

 

 (参考資料)

    ふるさと玩具図鑑     井上重義    平凡社