【 扇ヶ丘ゴショ遺跡 】
所在地: 野々市市高橋町、扇ヶ丘
「扇ヶ丘ゴショ遺跡」は、弥生時代後期、奈良~平安時代前期、鎌倉~室町時代の複
合遺跡である。
平成元年(1989)、平成2年(1990)、平成4年(1992)の三次にわた
り、石川県埋蔵文化財センターにより伏見川中小河川改良工事に伴う発掘調査が実施さ
れた。さらに平成29年(2017)、野々市市教育委員会により金沢工業大学47号
館建設に伴う発掘調査も実施されている。
発掘調査の結果、弥生時代後期の竪穴建物址、奈良時代の倉庫と考えられる掘立柱建
物址が検出された。
鎌倉時代では5間×4間の規模に近い掘立柱建物址が確認され、その一角から13世
紀後半の土師器皿を一括して廃棄した土坑が確認されたことから、建物の建設時などの
際に祭祀等に使用されたと考えられており、高橋川を掘割りとした当地の有力名主クラ
スの居宅であったと推定されている。
表面上の遺構表示はないが、高橋町のせせらぎ公園脇に史跡案内板が建っており、
文化財保護法改正による未指定文化財活用法のひとつの手段として他地域の文化財行
政に見習って欲しい取り組みである。
(参考資料)
現地案内板