【 東大寺領横江荘荘家跡 】
所在地: 白山市横江町1726-21
昭和45年(1970)9月、石川県鉄工団地協同組合の土地造成に伴い、10月に
緊急発掘調査が実施され、周囲に雨落溝をめぐらせた掘立柱建物跡、その東西に附属建
物跡が検出された。
出土品の多くは平安初期のものであり、須恵器や黒色土器や木器が数多く出土してい
る。中でも「三宅」との銘のある墨書土器から、横江荘であることが明らかとなった。
この一群の掘立柱建物は荘園を管理していた荘官居宅と穀物等を収納した倉庫と推定
されている。
加賀國横江荘は、東大寺文書に桓武天皇の皇女である朝原内親王の遺領を弘仁9年
(818)、酒人内親王が東大寺に寄進したものと記載されている荘園である。
石川県に東大寺に関連した荘園跡があると知って、「ここは絶対に外せない」と雨降
りしきる中に訪問した。
工業団地内に史跡公園として整備保存されているものの、上手く活用されてはいない
ようである。金沢市の「東大寺領横江荘遺跡」と併せて踏査することでより良い活用を
考えていくべき遺跡である。
(参考資料)
現地案内板