日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

基本的な遺構ですが・・・。

 

 以前、発掘調査現地説明会で貴重な遺構として「噴砂」をご紹介したことがありま

す。

 

nihonshiseki.hatenablog.com

 

 発掘調査現地説明会は、貴重な遺構を間近で観察できるので、本で読んだり講演会で

話を聞く以上の学びをすることが出来ます。

 

 がっ、奈良大学通信教育部生に話を聞くと・・・発掘調査現地説明会に足を運んだこ

との無い人が意外と?多い💦💦

 

 さらに考古学の基本的な用語を聞いたことはあるものの、実際どのような感じか知ら

ないという人も(+_+)

 

 そこで今回は、「元総社蒼海遺跡群」発掘調査で確認された【版築】を見ていただこ

うと思います。

 

 

 寺院や役所の倉庫などの建物を建てる際には、建て方に工夫を施さなければ、建物が

地面に沈みこんで傾いたり倒壊したりする可能性があるため、それを防止するために行

われた工法が【版築】による【堀込地業】です。

 

 堀込地業は、建物自体の重さで沈まぬように、必要な範囲の地面を深く掘り込み、そ

の中に土を薄く入れて突き固め、それを何層にも重ねることによって建物の基礎を固く

します。

 

 版築は、地面より下の堀込地業だけでなく、地上に出た部分にも木枠などを使用する

ことで施すことが可能で、建物の土台のほか、敷地を仕切る壁を作る際にも採用された

工法です。

 

 

 この【版築】層を発掘調査現場で見たならば、「版築ですねぇ」とつぶやいてみてく

ださい。調査担当者の方は「おっ、この人は・・・」と思ってくれることでしょう。

 

 基本的な遺構を数多く観察することで、用語を知っているというだけではなく、実際

の遺構を目の当たりにした際に非常に役立つのです。

 

 発掘調査現地説明会は全国各地で行われていますから、是非現場に足を運んでくださ

い。先ずは担当調査員の方の話をよく聞き、専門用語の意味から学んでみてくださいね

(^^♪