日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

東大寺俊乗堂(奈良県奈良市)

 

  【 東大寺俊乗堂 】

 

   所    在   地:           奈良市司町406-1

   拝観可能日:  7/5(俊乗忌) 12/16(良弁忌)

   拝    観   料:                 ¥600

 

 

 入母屋造り、錣葺。

 

 もと平重衡の南都焼き討ちにあった東大寺再興の功績で知られる俊乗房重源によって

建立された東大寺七別所の1つである浄土堂があった。浄土堂は平安末期の武将・田口

成良の鎮魂のために創建したという。

 

 成良は南都焼き討ちの折、平氏勢の先陣を務めるほどの勇将として知られていました

が、壇ノ浦の戦いで主家を裏切り源義経に味方し、平氏勢の内情を伝えるなどの功を立

てたものの、その後、不忠者として斬首された人物である。

 

 浄土堂は永禄10年(1567)、松永久秀三好三人衆三好長逸三好政康・岩

成友通)による東大寺大仏殿の戦いの兵火で類焼したために廃堂となり更地化してい

る。

 

 元禄年間(1688~1704)、公慶上人が重源上人の偉大な功績を称え、その菩

提を弔うため一堂を建立し、建永元年(1206)頃に奈良仏師で慶派の運慶(一説に

は快慶)作といわれる俊乗上人坐像を堂内に移し本尊とした。

 

 

 俊乗堂内には、俊乗上人坐像(国宝)のほか、快慶作の阿弥陀如来立像(重要文化

財)、平安末期の愛染明王坐像(重要文化財)が安置されている。

 

 限られた開帳であるが、慶派を代表する仏像が安置されており必見の堂宇であろう。

 

 (参考資料)

   日本仏像史     水野敬三郎 監修    美術出版社

   現地案内板