【 高槻城厩廓桝形門の石垣石 】
所在地: 高槻市大手町3-46
昭和60年(1985)、高槻市立第一中学校体育館新築に伴う発掘調査が実施さ
れた。
調査の結果、元和3年(1617)に修築された近世高槻城厩廓枡形門に使用され、
明治7年(1874)の破城の際に厩廓内堀の堀底に転落したと推察される花崗岩製の
石垣石が検出している。
右側の石垣石は、木津川上流の京都府加茂、左側の石垣石は香川県小豆島の石切場か
ら運ばれたもので、石を割るために楔を打ち込んだ矢穴も確認できる。
平成31年(2019)4月1日、改正文化財保護法が施行され、「高槻城厩廓桝形
門の石垣石」のように未指定の文化財の活用が謳われる。今後、どのように活用すべき
かが教育委員会に求められている。いや、自治体を統べる首長・議員に求められている
とも言えよう。
活用を考察する以前に、地域に埋もれている未指定の史跡の保護が最優先であり、そ
の意味では高槻市はこれまでも貴重な遺産を保護してきた街のひとつだと言える。
今、文化財行政は保護から活用へと大きく舵を切る動きを活発化しているが・・・、
保護あっての活用であり、様々な諸問題・諸課題に対する細やかな検討が必要であろ
う。
(参考資料)
現地案内板