【 本郷塚中53号墳 】
所在地: 高崎市本郷町字塚中
本郷塚中古墳群は古墳時代後期の群集墳であり、東西約220m、南北約320mの
範囲に65基の古墳が所在していた。
昭和45年から46年(1970~1971)にかけ、群馬用水土地改良事業に伴い
発掘調査が実施され、調査中に保存整備が決定された「本郷塚中53号墳」を含めた3
0基の古墳が保存されたものの、現在残存する古墳はそれより少なくなっている。
「本郷塚中53号墳」は、墳丘径約25m、幅約12mの周堀が巡る古墳群中最大規
模の円墳であり、葺石の残存状態から3段築成が想定される。墳丘高は3mほどであっ
たが、築造当初は5m前後の高さであったと推察されている。
埋葬施設は両袖型横穴式石室であり、石室入口前には葬送儀礼を行ったであろう前庭
部がある。
主体部は全長8.8mで、玄室長約4.3m、幅2.4m。奥壁は2.5m四方の巨大な一
枚岩。羨道長4.6m、幅0.9~1.5mで入口に向かって狭くなっている。玄室と羨道
間には擬似まぐさ石が架設されている。石材は自然石でおそらく烏川から運ばれたもの
であろう。側壁は小口積。
太刀、馬具、鉄鏃、玉、土器などが出土しており、遺物から築造年代は6世紀後半か
ら7世紀初頭と推定されている。
近年、西毛広域幹線道路建設が古墳群に程近い場所で行われたこともあり、訪問時と
は様相の変化もあるだろう。ダンプが頻繁に往来しているので状況確認できずにいる。
今後落ち着いたら再訪して状況を確認したいと思います。
(参考資料)
現地案内板