日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

旧下田邸書院及び庭園(群馬県高崎市)

 

  【 旧下田邸書院及び庭園 】

 

   所在地: 高崎市箕郷町西明屋702-4

   休館日:    日・月、祝日

   拝観料:      無 料

 

 

 永禄9年(1566)、武田信玄の上州侵攻の前に箕輪城は落城。箕輪城主長野氏の

重臣であった下田氏は土着し、江戸時代には酒造業を営み、地域の有力者となった。

 

 天和3年(1683)、下田理大夫政広の代に安房勝山藩の飛び地・白川陣屋の代官

となり、明治を迎えるまで代々代官を務めている。

 

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 そんな下田氏が江戸時代に構えた邸宅の一部が「旧下田邸書院及び庭園」である。

 

 書院は平屋建て切妻造。下の間12畳半、上の間10畳から成り、式台を設けた玄関

など武家屋敷としての格式を備えている。また、木の皮の面を残した面皮柱を用いるな

ど随所に数寄屋風の意匠がみられ、葡萄とリスを透かし彫りで表現した欄間の彫刻は繊

細かつ優美で書院の風格に彩りを添えている。

 

 

 庭園は『忠臣蔵』で吉良邸に討ち入りした越後新発田出身の剣豪・堀江安兵衛が手掛

けたとされる池泉回遊式庭園で、青翠園と称される。

 

 安兵衛は師匠の樋口十郎左衛門と伴われ、年に1~2回ほど箕輪や下田邸に滞在した

といい、その際に作庭したという。

 

 

 高崎市箕郷支所に所在しており、近年、紅葉時期には庭園をライトアップしたり活用

の兆しが見られているが、今後更なる活用が期待される。

 

 (参考資料)

   現地案内板