【 井出北畑遺跡 】
所在地: 高崎市井出町字北畑 上毛野はにわの里公園内
保渡田古墳群の「井出二子山古墳」の前方部の西側、東谷川崖際に所在し、平成9年
(1997)、土地改良事業に伴う発掘調査が実施され、極小石槨墓10基や土壙墓1
基、円筒埴輪棺墓2基、帆立貝形古墳や円墳10基を検出しました。
榛名山噴火による火山灰堆積(榛名ニッ岳渋川テフラ Hr-FA、榛名ニッ岳伊香保
テフラ Hr-FP)の層位から、6世紀初頭の榛名山噴火以前に築造されたものと以後
に築造されたものがあり、墳丘規模・形状・伴う埴輪の数や種類に差異があることが判
明した。この差異から、井出二子山古墳埋葬者に仕えていた人々の間に階層差があった
と推察されている。
また極小石槨墓や土壙墓、円筒埴輪棺墓のように墳丘をもたず、川崖際に造られてい
るものは、より低い階層であったと想定され、埋葬空間が80㎝程度であることから子
供の墓であるとの説、あるいは再葬墓であるとの説がある。
極小石槨墓は角閃石安山岩で造られており、榛名ニッ岳噴火後の6世紀のものとさ
れ、現在は上毛野はにわの里公園内に移築保存されている。
見事に復元された「保渡田八幡塚古墳」を見学する方は多いが、移築保存されている
「井出北畑遺跡」極小石槨墓をじっくり見学された方は少ないのではないだろうか💦
この極小石槨墓は古墳時代の階層社会の存在を物語るものであり、保渡田古墳群を考
察する上で重要な遺跡であるので、散策がてらチラッとでも良いので気に留めてもらい
たいものである。
(参考資料)
現地案内板