【 上庄司原1号古墳 】
所在地: 前橋市富士見町横室279
昭和10年(1935)、群馬県下に所在する古墳の一斉調査で、旧富士見村で29
基の古墳が確認され、昭和13年(1938)刊行された『上毛古墳総攬』では富士見
村1号墳から29号墳として記載されている。「上庄司原1号古墳」は総攬で富士見村
8号墳と記載されています。
昭和29年(1954)に刊行された『富士見村誌』には、戦争を経て多くの古墳が
平夷されたが、昭和26年(1951)から実施された調査で多くの記載漏れが指摘さ
れており、少なくとも村内に90基以上の古墳が存在していたとしている。
平成元年(1989)、県営圃場整備事業に伴う発掘調査が実施され、古墳7基、方
形周溝墓5基が検出された。当初は記録保存(発掘調査報告書の刊行のみ)される予定
であったが、残存状態の良い「上庄司原1号古墳」が現地保存されることとなった。
「上庄司原1号古墳」は、法華沢川を望む台地の崖端に築造された直径約24m(墓
前祭祀を行ったと思われる約14mの基壇状の前庭部含む)の円墳で、周囲には一部を
除き周溝が確認されている。また墳丘上には葺石も確認されています。
埋葬施設は輝石安山岩を用いた自然石乱石積みの両袖型横穴式石室である。石室長約
6.6m、玄室長約3.3m、玄室中幅約2.2m。羨道長約3.2m、羨道幅約1.0m。
玄室内からは耳環や太刀、鉄鏃、馬具等が出土し、人骨や歯も残存していました。ま
た前庭部とその周辺からは須恵器の甕、土師器の杯などが出土しており、遺物から6世
紀末葉から7世紀初頭の築造と推定されています。
横室古墳公園として整備されており、初心者も訪れやすい古墳です。地域の歴史を今
に伝える文化遺産を活用してもらいたいと思います(^^♪
(参考資料)
現地案内板