日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

旧尾田家住宅(石川県白山市)

 

  【 旧尾田家住宅 】

 

          所在地: 白山市白峰リ30 石川県立白山ろく民俗資料館 内

 

 

 文久2年(1862)、白峰集落から約8㎞上流の五十谷地内にあった尾田北右衛門

家から分家した初代・尾田忠次郎は、五十谷の地主であった木戸口孫右衛門の土地を2

1年間の契約で借り受け、農業や養蚕・炭焼きに従事する永久出作りを始めました。

 

 この時期に「旧尾田家住宅」は建てられたものと考えられています。梁間三間、桁行

六間、奥仏間付。外見は屋根を地面まで伸ばした根葺き小屋に見えるが、居住空間を広

く取るためのナバイ小屋と呼ばれる非常に珍しい構造の住居です。

 

 ナバイは、側面から家を支えるツカセ(支え木のような効果)をもち、外壁を覆う茅

壁によって優れた保温・断熱効果を有しています。

 

 二代・忠次郎、三代・忠吉の代にわたり、木戸口孫右衛門の借地を買取り、5町歩を

持つまでになっている。この頃にはジゲ(母村)に屋敷を借りている。

 

 昭和40年(1965)、五代・利晴は本村に空き家を購入し、季節出作りを始めた

ものの、昭和45年(1970)には放棄。尾田家の出作りの歴史は終焉しました。

 

 

 「旧尾田家住宅」は石川県で唯一現存するナバイ小屋で必見の古民家です。石川県立

白山ろく民俗資料館は白山市街地からも遠いですが・・・ゆっくり見学してもらいたい

資料館ですよ(^^♪

 

 (参考資料)

   白山麓民家の見方・楽しみ方    石川県立白山ろく民俗資料館

   現地配付パンフレット

   現地案内板