【 藤岡家住宅 】
18世紀後半に築造された町家。藤岡家は当初は生薬類、幕末頃には蝋燭や髪付油、
お歯黒等の小間物類、昭和に入ると紙類と昭和30年代まで商家であった。
桁行13.3m、梁間14.7m。切妻造段違桟瓦葺。
表構えは商家の特徴をよく示しており、出入口に突上げ戸、その両脇にミセとシモミ
セの正面には上下に蔀と俗にばったり机几と呼ばれる揚店を構え、これら建具を開放し
て商いを行っていた。シモミセの奥は通り土間、ミセの奥には居間等が並んでいる。
一段屋根が低い北側は、正面に丸太格子と潜戸付の塀を構え、前庭をとって、奥に床
の間を備えた瀟洒な客座敷を設けている。
現在もお住まいの住居であることから内部公開はされていないが、奈良町にはこうし
た古民家が多く残る地域であるので、春の陽気に誘われて散策するのも良いかもしれま
せん。
(参考資料)
現地案内板