日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

町初碑(栃木県大田原市)

 

  【 町初碑 】

 

   所在地: 大田原市親園512-1

 

 

 高さ55㎝、周囲93㎝の楕円形の自然石で、表面に「此町初 寛永四ひのへ卯年」、

裏面に「國井与左衛門」と刻まれている。

 

 「町初碑」は、大田原宿まで4㎞弱の奥州道中沿いに建ち、当時は八木沢村といっ

た。奥州道中は慶長年間(1596~1615)に整備され、寛永年間(1624~1

644)に街道筋に八木沢村も開かれたものと推測され、それを記念して建碑されたと

推測される。

 

 國井与左衛門は、八木沢村の名主役を務め、國井家当主は代々与左衛門を名乗ってい

る。寛永4年(1627)建碑ならば正しい干支は丁卯(ひのと卯)であり、後年の建

碑とも考えられるが、起源を明らかにしている点で歴史的価値がある。

 

 ちなみに、八木沢村は那須氏の領地であったが、延宝9年(1681)2月、那須

弥は加増により那須烏山へ転封となり、烏山近郷地との替地で天領となっている。享和

3年(1803)から文政5年(1822)には天領61ヶ村を支配する吹上陣屋の出

張陣屋が置かれています。

 

 

 「町初碑」は個人宅敷地内にあるので、訪問には御配慮いただきたい。

 

 (参考資料)

   大田原市文化財         大田原市教育委員会

   現地案内板