昭和49年(1974)10月30日 発行 遠藤鎮雄 訳
新人物往来社 ¥3000
蒲生君平の著した『山陵志』、松下見林撰『前王廟陵記』、版元・出版年等不詳の
『山陵図絵』を一冊にまとめたものである。
天皇陵墓は宮内庁によって管理されていることから、考古学的手法(発掘調査)によ
る調査は不可能に近い。近年、大仙古墳(仁徳天皇陵)において学術調査が実施された
が、一般的には文献史料による調査が主と言える。
文献史料として活用される『山陵志』の書き下しに加え、原文が収録されている他、
補助としての『前王廟陵記』、江戸期の天皇陵の状況が描かれている『山陵図絵』があ
ることで、天皇陵研究の一助となる一冊と言えよう。
某大学で教鞭をとられた方の古書の中にあったので、蔵書に加えた次第である。入手
するのは古書店等に限られるので困難であろうが・・・、古墳研究の一助となる一冊で
すので、探してみては如何でしょうか。