日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

田地古墳(石川県白山市)

 

  【 田地古墳 】

 

    所在地: 白山市田地町37-2

 

 

 手取川扇状地の中央に位置し、昭和45年(1970)11月3日、市道側溝建設中

に偶然発見された。

 

 同年、松任市教育委員会(現白山市教育委員会)によって緊急発掘調査が実施されて

いる。

 

 河原石積み無袖構造の横穴式石室で、全長7.25m。玄室長4.96m、羨道長2.2

9m、奥壁幅1.04m。墳丘残高0.51m。もとは墳丘をもつ高塚古墳であったが、

明治中頃の耕地整理で削平され、規模・墳形は不明である。

 

 奥壁は水平に並ぶ二つの大石で形づくられているが、上部は不詳。側壁は河原石が2

~3段残存していたが、やはり上部は失われており不詳である。玄室床面にのみ小砂利

敷石が確認されている。

 

 遺物としては、鉄製刀子2、鉄鏃茎1、銀環2といった金属製品や杯蓋9、杯身9、

高杯などの須恵器が出土しており、須恵器編年から古墳時代後期の6世紀末から7世紀

初頭にかけて築造されたと推定されている。

 

 調査後、石室は埋め戻されており、現在は石碑と案内板が建つのみである。

 

 (参考資料)

   現地案内板