日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

「上野国府等範囲内容確認調査」発掘調査現地説明会(群馬県前橋市)

 

 前橋市教育委員会では、元総社町蒼海地区で区画整理事業に伴う発掘調査および上野

国府範囲内容確認調査を継続して実施しています。

 

 今回の調査は、総社神社が元々鎮座していたという伝承を持つ宮鍋神社南側で実施さ

れました。

 

 去る令和4年9月23日(金・祝)に「上野国府等範囲内容確認調査」および「元総

社蒼海遺跡群」発掘調査現地説明会が実施され、今回は「上野国府等範囲内容確認調

査」についてご報告致します。

 

               ( 第78トレンチ )

 

 令和3年度の「元総社蒼海遺跡群(蒼海146)」発掘調査で検出した礎石建物は、

全体の3分の2であり、全体像が不明であったことから、残る3分の1部分を確認する

ため、範囲内容確認調査を実施しています。

 

 発掘調査の結果、堀込地業の南東隅を確認し、掘立柱建物の規模は東西約13m、南

北約8mであることが明らかとなりました。また、礎石を据えるために設けられた根石

と推察される石を検出しました。

 

                ( 79トレンチ )

 

 また「元総社蒼海遺跡群(蒼海95)」発掘調査で検出した南区画溝の延長線上で、

礎石建物から南に約15mの地点に79トレンチを入れたところ、おおむね東西方向に

掘られた大溝を検出しました。

 

 この大溝はこれまでの調査で確認された多くの礎石建物が建つ施設(正倉と推察され

る)の南側を区画するための区画溝と考えられます。

 

 区画溝は底面が二段となっており、部分的に細いテラス状であることから、何度か掘

り直しをされている可能性が考えられています。また底面と溝が埋没された直後に、固

く締まった面が確認されており、区画溝として使用されなくなった後、道路として利用

されていたと考えられています。

 

 上野国府の解明には、文化庁調査官の言葉では最低でも15年は・・・とのことであ

り、今後も調査を継続することで地域の歴史が明らかとなっていくことでしょう。

 

 当日は台風15号接近であいにくの雨☔ そのため足場も悪く💦なかなか良い遺構面

の撮影が出来てませんでしたぁ(+_+) ごめんなさ~い🙇