元総社町蒼海地区における区画整理事業に伴う発掘調査を前橋市教育委員会は継続的
に実施しています。
令和4年度の調査では、新たに礎石建物2棟を検出したほか、平成26年の調査で確
認された礎石建物の一部を検出しています。
( 版築による堀込地業がわかる地層 )
堀込地業の範囲は、東西約11m、南北4m以上の規模であることが確認されていま
す。今回新たに確認された礎石建物で、7世紀後半の溝跡を壊して造られ、10~11
世紀頃の竪穴建物によって壊されていることから、8~9世紀頃のものと考えられてい
ます。
礎石建物群とは方向が異なっており、北から東に大きく傾いている溝跡も確認されま
した。出土遺物から7世紀後半頃の溝跡と考えられ、北端は礎石建物によって壊されて
います。溝跡の堆積土中には固く引き締まった面があることから、埋没する過程で道路
として機能していた時期があったと考えられています。
中世城館跡である「蒼海城」の堀跡も確認されていますが・・・、こちらは別に紹介
することにします。溝跡には礎石も確認されています。
平成26年の調査で確認された礎石建物の北西隅も検出されています。
令和4年度までの調査で検出した礎石建物は計10棟となり、宮鍋神社南側の建物群
の様相が徐々に明らかとなってきました。
上野国府に伴う正倉とも推察されていますが・・・、まだまだ調査は継続されますの
で、今後の調査でその性格が徐々に明らかになると思います(^^♪