日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

山川館跡(石川県野々市市)

 

  【 山川館跡 】        評価 ★

 

   別  名:    山川三河守館

   所  在  地: 野々市市本町(2)

   築城年代:    室町時代

   築  城  者:   山川三河守高藤

   区  分:     居 館

   現  状:     宅 地 

 

 

 山川氏は加賀國守護である富樫氏の一族で、富樫家経の子にあたる繁家を祖とする。

 

 室町時代、加賀國守護・富樫政親の家臣として活躍した山川三河守高藤によって築か

れた。山川氏の本貫は金沢市山川町あたりと推測されており、富樫氏の守護所の北方に

位置していることから、守護所に付随した館跡と思われる。

 

 平成5年(1993)、建物建設に伴う発掘調査が実施され、屋敷跡の明確な遺構は

検出されなかった(土坑・溝跡が検出)ものの、中世の土師器皿、加賀焼甕、瀬戸・美

濃の丸椀、珠洲焼擂鉢、越前焼壺などが検出し、14~15世紀の遺物であることは明

らかとなっている。

 

 野々市市の遺跡案内板設置は、他自治体も見習うべきものだと思う。地域の方々の生

涯学習への活用のみならず、他地域の観光客(歴史に造詣深い人が中心となるだろうが

💦)の誘致となろう。

 

 文化財保護法一部改正により、文化財の活用(指定・未指定にかかわらず)が推進さ

れている昨今の流れ。文化財保護に携わる関係者だけでなく、議員の方々もこうした取

り組みを視察して、自らの地域に反映すべきではないだろうか。

 

 (参考資料)

    加賀の守護 富樫氏の歴史と遺跡   石川中央都市圏歴史遺産活用連絡会

    現地案内板