日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

三春張り子(福島県郡山市)

 

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 江戸時代初期、三春藩主・秋田倩季が、農閑期の副業奨励のため、参勤交代で江戸下

向した際、人形師を伴い帰国。藩内の高柴にでこ(人形)屋敷を与え、人形製作の技法

を農民に習得させたのが始まりとされる。

 

 江戸時代中期以後、最盛期を迎え、人形の種類は数千を数え、京都の御所人形や嵯峨

人形と並び全国にその名声が知れ渡った。三春城下の縁日、祭日に売られたほか、江

戸・京都・北陸・九州路まで販路は広がったという。

 

 明治期に入ると、廃藩によって藩からの援助も絶えたことから、次第に衰退したもの

の、第二次世界大戦後、民藝ブームで高柴および三春町で製作が盛んとなった。

 

 天神・春駒・馬乗り天神など多彩な張り子があり、購入の際には目移りしてしまう郷

土玩具である。

 

 なお、「三春張り子」の起源に関しては多説あり、上記は一説であることを御了承い

ただきますよう、お願い致しますm(__)m

 

 今年の干支は虎。ということで「三春張り子」の代表格である虎の張り子を年頭に御

紹介致します(^^♪

 

 (参考資料)

     ふるさと玩具図鑑      井上重義    平凡社