日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

富樫館跡(石川県野々市市)

 

  【 富樫館跡 】        評価 ★

 

   別  名:          富樫城

   所  在  地:    野々市市本町2丁目

   築城年代: 康平6年(1063)?

   築  城  者:        富樫家国

   区  分:     平  城

   現  状:     野々市工大前駅 宅地

 

 

 寛弘6年(1009)あるいは康平6年(1063)、富樫家国によって築かれたと

される。

 

 がっ、館の詳細な場所は不明であり、平成6年(1994)、同市住吉町地内の発掘

調査で館周囲を囲む掘の一部が検出したのだが・・・、出土遺物は室町期から戦国前半

のものであったことから、こちらは「守護所 富樫館」と呼ばれる。

 

 「守護所 富樫館」が「富樫館」の一部に築かれた可能性は高いと考えられるが、発掘

調査による遺構が検出されていない以上、石碑の建つ地が「富樫館跡」とは断言できな

い💦

 

 「富樫館跡 石碑」は、昭和42年(1967)、金沢工業大学と富樫卿奉賛会(現在

の富樫氏頌徳会)が富樫館の存在を広く知らせるために建立したものであり、石碑裏に

は「富樫氏歴代の居館したところ富樫城とも言い九艘川と新兵衛川を外濠とした區域で

ある」と刻まれている。

 

 

 周辺は市街地化しており、なかなか発掘調査の実施は困難な状況である(今後、部分

調査はあり得るだろうが・・・)。しかしながら、「守護所 富樫館」や富樫氏重臣の居

館である「山川館」の所在が明らかとなったことから、石碑周辺が館跡である可能性は

高いだろう。

 

 野々市市は、発掘調査成果を案内板として設置しており、数日掛けて遺跡巡りをする

のも面白い街ですよ(^^♪

 

 (参考資料)

   加賀の守護 富樫氏の歴史と遺跡  石川中央都市圏歴史遺産活用連絡会

   現地案内板