【 二木山 長徳寺跡 】
所在地: 安曇野市三郷明盛字一日市場
二木山 長徳寺は、高野山龍光寺を本山とする真言宗の古刹であった。
寺伝によれば、長徳年間(995~999)の創建とされ、本尊は木造聖観音菩薩立
像(後述するが、後の火災によって焼失)。
当初からこの地に創建されたかは定かではないものの、二木山という山号が示すよう
に中世にこの地の有力者であった二木氏によって再興されたものと考えられている。
元禄11年(1698)の「長尾組町間道法」によれば、「長徳寺東向 寺屋敷東西三
十間(54m) 南北二十三間(41m)」とある。また享保6年(1721)の差出帳
には、「東西四十五間(81m) 南北五十間(90m)」となっている。
「長徳寺建替記録」に、「長徳寺、当時寺は古田竿請の場にあったが、正徳年中今の
地所に建て替えた」と記されており、正徳年間(1711~1716)に建て替えらえ
たようである。
また同記録には、「安政三年に焼失し、安政五年南向きに再建した」とあり、安政3
年(1856)11月の一日市場村東村からの出火によって、長徳寺は全焼🔥文久元年
(1861)3月14日に再建されている。
明治5年(1872)、廃寺となったが庫裡は残され、小学校として使用されたが、
今は石碑を残すのみとなっている。
「二木山 長徳寺跡」付近は、「二木豊後守屋敷跡」であることが『三郷村誌』には記
されている。「二木豊後守屋敷跡」は後日別トピで述べることとする。
(参考資料)
三郷村誌 Ⅱ 第二巻 歴史編 上