日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

地蔵塚古墳(埼玉県行田市)

 

  【 地蔵塚古墳 】

 

           所在地:  行田市藤原町2-28-1  地蔵塚公園内

 

 

 若小玉古墳群を構成する一基。

 

 若小玉古墳群は、代々の武蔵國造の墳墓と推定されている埼玉古墳群の築造が終了し

たのち、それを引き継ぐ新興勢力によって築造され始め、「地蔵塚古墳」築造を最後に

終焉を迎えた古墳群である。

 

 愛宕山古墳、荒神山古墳などの前方後円墳を中心に、多数の小型円墳など100基以

上で構成されていたが、殆どの古墳は後世の開墾、近年の富士見工業団地建設に伴い破

壊、開削されてしまった。

 

 

 昭和34年(1959)、実測調査が実施され、その後に保存整備事業が実施されて

いるが・・・墳頂部に地蔵堂が祀られているためか、本格的な発掘調査が実施されては

いない。

 

 墳丘規模は1辺約28m、墳丘高約4.5m、周堀幅約1m、深さ40~50㎝。墳形

は方墳と推察されている。

 

 埋葬施設は古くから開口していたようで、昭和37年(1962)、篤志家の寄付を

受けて横穴式石室の修復工事が実施されている。

 

 形態は胴張りで、奥壁と天井石は緑泥片岩、他は安山岩の切石を用いている。奥壁及

び側壁下には根石が置かれていた。全長9m、玄室長4.1m、最大幅3.1m、奥壁高

2.8m、羨道は破壊されており不明である。

 

 崩れ落ちていた天井石を取り除いたところ、奥壁及び側壁に線刻画が発見され、烏帽

子を被った人物、弓を引いた人物、馬、水鳥、家と思われるものが描かれていることが

確認されました。

 

 石室からは鉄鏃片や須恵器片が少量ながら出土しており、築造時期は7世紀中葉頃と

推察されています。

 

 

 「地蔵塚古墳」は北武蔵唯一の線刻画として貴重なものであり、石室内部は非公開。

しかしながら、「埼玉県立歴史と民俗の博物館」内にレプリカ展示がされています。

 

 行田市はさきたま古墳群所在地として著名で、そちらには多くの人々が訪れています

がっ💦「地蔵塚古墳」も是非訪れて欲しい古墳の1つです(^^♪

 

 (参考資料)

   関東古墳散歩   相原清次/三橋浩   彩流社

   現地案内板