【 信濃国分寺多宝塔 】
高さ152㎝。積石段上にある。
初層の屋根や塔身の一部に窪みの跡が至る所に確認出来るが、硬い石を叩き粉にして
飲用すると病気が平癒するとか、お守りになるといった民間信仰によるものである。
塔身には両開きの扉が線彫され、下層屋根には亀腹を刻み、その上部には勾欄付首都
がある。
屋根の降り棟の反りも、軒反りもわずかで古い様式である。軒先の切口も垂直にし、
軒裏には一段の垂木を刻み出している。相輪は欠落しています。
多宝塔の由来、言い伝えが不明であり、いつ頃建立されたものかは定かではないもの
の、その様式・手法などから鎌倉時代に造立されたものと推定されています。
全国的にも石造多宝塔は数が少ないにもかかわらず、上田市には「信濃国分寺多宝
塔」、「常楽寺多宝塔」と2ヶも存在しており、貴重な石造物踏査にはもってこいの地
なのかもしれない。
なかなか注目されることのない石造物ではありますが・・・信濃国分寺(跡ではあり
ませんよ!)を訪れた際には見落とさないで下さいませm(__)m
(参考資料)
現地案内板