日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

信濃国分寺多宝塔(長野県上田市)

 

  【 信濃国分寺多宝塔 】

 

           所在地: 上田市国分1051 信濃国分寺境内

 

 

 高さ152㎝。積石段上にある。

 

 初層の屋根や塔身の一部に窪みの跡が至る所に確認出来るが、硬い石を叩き粉にして

飲用すると病気が平癒するとか、お守りになるといった民間信仰によるものである。

 

 塔身には両開きの扉が線彫され、下層屋根には亀腹を刻み、その上部には勾欄付首都

がある。

 

 屋根の降り棟の反りも、軒反りもわずかで古い様式である。軒先の切口も垂直にし、

軒裏には一段の垂木を刻み出している。相輪は欠落しています。

 

 多宝塔の由来、言い伝えが不明であり、いつ頃建立されたものかは定かではないもの

の、その様式・手法などから鎌倉時代に造立されたものと推定されています。

 

 

 全国的にも石造多宝塔は数が少ないにもかかわらず、上田市には「信濃国分寺多宝

塔」、「常楽寺多宝塔」と2ヶも存在しており、貴重な石造物踏査にはもってこいの地

なのかもしれない。

 

 なかなか注目されることのない石造物ではありますが・・・信濃国分寺(跡ではあり

ませんよ!)を訪れた際には見落とさないで下さいませm(__)m

 

 (参考資料)

   現地案内板