【 布岩 】
所在地: 東御市布下
東御市布下の千曲川左岸に見られる断崖中腹は「牛にひかれて善光寺まいり」にみら
れる伝説中に登場する「布岩」である。
昔、布引観音の近くに欲深く無信心の老婆が住んでおり、ある日、老婆が庭に白い布
を干しておくと、一頭の牛がやってきて、白い布を角に引っ掛けて走り出します。老婆
は牛を追いかけていくと、善光寺まで行き着きました。
すると、牛は忽然と姿を消し、その代わりに善光寺如来が現れます。老婆はその威徳
に心打たれ、信仰心に目覚めたという。その後、白い布は老婆の家に舞い戻り、岩壁に
張り付いて「布岩」になったという伝説です。
これはあくまでも伝説であり、地質学的には・・・。
新生代第四紀更新世前期中頃に堆積を始めた布引層の凝灰角礫岩で断崖は出来てい
る。白い断層は灰白色の凝灰岩であり、布引層が古小諸湖に堆積した後、上昇して陸地
化し、浸食を受けている時期に地殻変動があり大きな割れ目を生じます。その後、古瓜
生坂湖が形成されるようになると湖底に沈むのだが、同時期に東方の火山から噴出した
火山灰が湖に流れ込み、割れ目を埋めていきました。その後、時代の経過とともに火山
灰が凝固して灰白色の凝灰岩を形成したものです。
したがって、「布岩」は新生代第四紀更新世前期終焉頃にできたものと考えられてい
ます。
あれ?なんの案内板だろうと車をUターンさせ確認したところ、東御市指定名勝「布
岩」の案内板であった。
こうした名勝地もひとつの文化財であるのでご紹介することにしてみましたが、如何
でしょうか💦
(参考資料)
現地案内板