日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

田山花袋ゆかりの料亭(埼玉県行田市)

 

  【 田山花袋ゆかりの料亭 】

 

    所在地: 行田市行田1-17

 

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 『田舎教師』五に「角に柳の湯といふ湯屋があって其れと対して 綺麗な女中のゐる料理屋の入口が見える」とある料亭が ここ魚七である 西の道路は水量の多い川で 柳の湯の大きな柳 忍警察 町役場の桜花は名所であった

 

 明治時代の文豪・田山花袋の作品のなかに行田町の風物を描写した『田舎教師』という作品がある。

 

 花袋は地理文学を自然主義文学の骨子としており、その表現はほぼ正確とされている(こうしたことが、花袋の文学作品=私小説という評価を与えるに至るのである)。

 

 大澤俊吉著『行田史跡物語』中には、通りに柳の湯・料亭魚七の存在に触れているが・・・、今ではその姿もなくセブンイレブンになってしまった。

 

 行田の町並みも大きく変化しているのだろう。この石碑のみが田山花袋ゆかりの料亭の存在を静かに物語っている。

 

 

 行田市には行田ライオンズクラブが中心となって建立した忍城史跡碑五十基があり、「田山花袋ゆかりの料亭」の石碑もそのうちの一基である。

 

 映画・『のぼうの城』に関連した石碑もあり、石碑巡りに興じるのも悪くない街である。

 

 (参考資料)

   行田史跡物語 ー忍城史跡碑五十基案内ー  大澤俊吉   歴史図書社