平成6年(1994)1月20日 第1刷 発行 椎名慎太郎
岩波書店 ¥580
文化財保護と活用を考察する上での必読書である。いや、考古学を学ぶものならば必
読書であろう!!
遺跡保護における歴史について書かれているのだが・・・如何に遺跡保護が困難であ
るかが理解出来る一冊であり、軽々しく保存という言葉は使えないと思わせる内容であ
る。
例えば、本格的木簡研究の発端となった長屋王邸跡が保存されることなく商業施設に
なったり、多くの土偶が出土した釈迦堂遺跡が保存されることなく高速道路建設で破壊
されたり、著名な遺跡ですら保存されることはないのだから、数多の遺跡はどうなる
か?言わずもがなである。伊場遺跡のように保存運動も活発に行われても破壊されるケ
ーズは珍しいことではない。
なぜ遺跡は保存されずに破壊されたのか?遺跡の活用が検討される昨今、知っておか
ねばならない内容じゃあないですかぁ!!
是非、読んでいただきたい一冊です(^^♪