日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

八幡山館跡(群馬県高崎市)

 

  【 八幡山館跡 】                                      評価 ★

 

     別  名:

     所  在  地: 高崎市下滝町字八幡

     築城年代:   室町時代

     築  城  者:

     区  分:     屋 敷

     現  状:     耕 地

 

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 井野川と滝川の合流地点が西北にあり、両川を外濠とした立地の屋敷跡である。

 

 内郭が外郭の一方に偏した形状で、基本的に外郭の備えは100m四方で、さらに外

部から内部が直接見えないように、南から東へ幅30mほどの外郭が付属している。

 

 屋敷の北濠に接して八幡宮(といっても本当に小さな石祠)のある古墳があり、この

古墳も郭内に取り込んだ可能性が強い。

 

 その郭を推定すると、東西160m、南北160m程の屋敷であったと考えられてい

る。

 

 八幡山館の西には、文明9年(1477)、足利成氏が布陣したとされる滝の陣(下

滝館)があり、八幡山館も室町時代に構えられたと推測されていることから、滝の陣に

関連した屋敷であるとも考えられるのだが・・・、築城者等の伝承はないことから詳細

は不明である。

 

 

 下滝町は城館密集地域である。「八幡山館」「下滝館」「五左衛門原屋敷」「八衛門

屋敷」「天田屋敷」など近接して点在している。

 

 中でも「下滝館」と「八幡山館」は良好な遺構が確認出来る城館遺跡である。「八幡

山館」は郭・土塁・堀が確認出来る。

 

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 まだまだ高崎市内にも遺構が残されている城館跡は多い。こうした城館遺跡を活用で

きる手段の検討を重ねていかねばならない。

 

 (参考資料)

   新編高崎市史 資料編3 中世Ⅰ