日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

滝沢遺跡の敷石住居跡(長野県北佐久郡御代田町)

 

 【 滝沢遺跡の敷石住居跡 】

 

    所在地: 北佐久郡御代田町大字馬瀬口1901-1( 浅間縄文ミュージアム

 

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 「滝沢遺跡」は、北佐久郡御代田町大字塩野に存在する縄文時代中期後半(加曾利EⅢ

式期)の遺跡である。

 

 平成4年(1992)に発掘調査が実施され、東西3.9m、南北3.85mの柄鏡形

の敷石住居が検出した。鉄平石を敷き、安山岩軽石で四角く組まれた石囲炉、柄鏡の

柄に相当する張出部を有している。

 

 遺物としては、縄文中期後半(加曾利EⅢ式)の両耳壺が埋納していた以外に、わ

ずかな土器片のみである。

 

 敷石住居は、縄文中期後半から後期、中部地方から関東地方に流行するもので、祭祀

遺構とする説もあったが、今日では住居とする見方が一般的なものとなった。

 

 「滝沢遺跡」も御代田町指定史跡であるが、遺構は埋め戻しされ、一面の耕地となっ

ている。敷石住居遺構のみが、浅間縄文ミュージアム前に移築されている。

 

 地域の貴重な歴史遺産である遺構が、わずかとはいえ破壊されることなく移築される

ことは良い保存手法である。しっかりと解説版も設置されていることも好感が持てる。

こうしたものは、見過ごされることが多々あるが・・・、フィールドワークの際には立

ち寄ってもらいたいものである。

 

 (参考資料)

   現地案内板