【 梅之木遺跡 】
平成15年(2003)、畑地圃場整備事業に伴う発掘調査が実施され、縄文時代中
期の竪穴建物址147軒、土壙約400基を検出したほか、弥生時代の土壙、平安時代
の竪穴住居址、掘立柱建物址、土壙などを検出した。
平成16年から19年(2004~2009)にかけて、文化財的価値を確認する
(遺跡保存と史跡指定を目的とした)発掘調査が実施され、外径100m、内径40m
ほどの環状区域に竪穴住居が営まれた環状集落であり、集落中央には遺構が確認されな
い空閑地が存在することが明らかとなった。
集落は5,000年前から4,500年前のおよそ500年間、住居が新築・廃棄を繰
り返しています。竪穴住居址の復元に際しては、プラントオパール分析を行ったとこ
ろ、屋根材は茅葺きではなかったことが確認されました。
調査の結果、集落から湯沢川に下りる道(縄文の道と通称されている)が確認され
た。奈良・平安時代の土層下から幅1mほどの帯状の平坦地で、集落と川岸の約70
mを直結しており、出土遺物として曽利Ⅱ式からⅤ式の縄文土器に限定されていること
から縄文時代の道であることが明らかとなりました。
また収穫された食材を調理したと思われる集石遺構、湿気の多い川べりから直径2.5
mの敷石住居址も検出されています。
現在は「梅之木遺跡史跡公園」として、史跡説明のためのガイダンス施設も整備され
ています。また市民参加型の竪穴住居づくりや縄文の森の再現にむけた植樹を行ってい
ます。訪問時も竪穴住居を復元(修繕)するための準備を行っていたようでした。
日本遺産「星降る中部高地の縄文世界-数千年を遡る黒曜石鉱山と縄文人に出会う旅
-」を構成する遺跡の一つであり、今後は広範囲に及ぶ遺跡間の協力関係の更なる構築
が求められています。
史跡公園として整備されていますが・・・まだまだ周知が必要な遺跡だと思います。
北杜市は自然豊かな土地柄でもあり、近年移住者も増加している魅力的な地ですので、
是非「梅之木遺跡」にも足を運んで頂き、山々の眺望の素晴らしさを実感してもらいた
いなぁと思いますm(__)m
(参考資料)
現地案内板