日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

諏訪舘前遺跡(宮城県刈田郡蔵王町)

 

  【 諏訪舘前遺跡 】

 

   所在地: 刈田郡蔵王町平沢字諏訪舘前

 

 

 円田盆地北部丘陵上に立地する古墳時代前期から中期の集落遺跡。

 

 昭和63年(1988)、平沢幼稚園建設に伴う発掘調査が実施され、古墳時代前期

(4世紀)の竪穴住居跡5軒、古墳時代中期(5世紀)の竪穴住居跡6軒が検出されま

した。遺物としては須恵器が出土しています。

 

 古墳前期の竪穴住居跡1軒は一辺6m以上、中期の竪穴住居跡1軒は一辺9.5m以上

と大型竪穴住居跡でした。

 

 平成13年(2001)には農道山ノ入寺前線改良に伴う発掘調査が実施され、土坑

を検出し、須恵器が出土しています。

 

 発掘調査範囲が限定されていることから、集落の全体像は明らかではないものの、大

型竪穴住居跡の存在からこの地のリーダーなど有力者が住んでいた集落だったのではな

いかと推察されています。

 

 現在は平沢児童園や宅地、畑地となっていますが・・・、平沢小学校からほど近い遺

跡であることから、地域の身近な遺跡ということで野外学習などで活用されています。

遺跡説明版は平沢児童園前に設置されています。

 

 

 蔵王町埋蔵文化財の案内解説版が数多く設置されており、「諏訪舘前遺跡」もその

うちの1つである。

 

 上記したように小学校の野外活動でも遺跡を活用しており、畑地で土器片を表層採取

する授業も行われているようである。

 

 こうした取り組みは改正文化財保護法の趣旨に合致しており、他地域でも見習うべき

活用手法であろう。

 

 土地勘がなければなかなか案内板を設置している場所も???なことは多いが、ちょ

っと行けば案内板が設置されているような感じであった(#^.^#) 今回の旅で踏査出来な

かった遺跡も多く、また蔵王町を訪れる機会を持ちたいと思っています(^^♪

 

 (参考資料)

   現地案内板