日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

末松館跡(石川県野々市市)

 

  【 末松館跡 】      評価 ★

 

   別  名:  

   所  在  地: 野々市市末松(1)

   築城年代:

   築  城  者:     栗山某

   区  分:   平 城

   現  状:  大兄八幡神社

 

 

 『富奥郷土史』所収「広告地誌」及び「石川郡誌」によれば、大兄八幡神社の境内は

中世の栗山某古宅跡であり、東西二十間、南北二十間五尺の土塁が残っていると記す。

そして土塁の形はロ字形をしているとも記されている。

 

 現在、残る土塁は東西約40m、南北約33mであり、記述とほぼ一致する。

 

 さらに土塁周囲には水路が巡り、仮にかつての水堀跡だとすれば、50m×43mと

ほぼ半町四方となる。中世における在地領主居館の標準的な大きさに当たり、在地領主

の栗山氏の居館跡と推定される。

 

 

 しかしながら、地元では残存する土塁は末松古墳の墳丘残存部であり、大兄八幡神社

鎮座にあたり墳丘を削平したとの伝承が残されている。なお石川県遺跡地図では「末松

古墳」と表記されており、別トピックで紹介することとする。

 

 (参考資料)

   加賀中世城郭図面集     佐伯哲也    桂書房