日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

西小屋館跡(宮城県刈田郡蔵王町)

 

  【 西小屋館跡 】                評価 ★★

 

   別  名:

   所  在  地: 刈田郡蔵王町小村崎字西屋敷

   築城年代:  

   築  城  者:       村上左近?

   区  分:            居 館

   現  状:              宅地・耕地

 

 

 円田盆地北西縁から張り出した丘陵先端部に位置し、江戸時代に記された『小村崎

風土記御用書出』には、志津戸信濃守の家臣・村上左近が館主とある。

 

 平成4年(1992)、東北福祉大学による測量調査が行われ、館北西部に高さ最大

3mに及ぶ土塁が良好に残存していることが確認されました。

 

 

 平成21年(2009)、県営圃場整備事業に伴う発掘調査が実施され、西側土塁の

外側に幅3.8m以上、深さ1.2m以上の堀跡が確認され、遺物として陶磁器、古銭な

どが出土しています。

 

 調査の結果、西小屋館は東西約140m、南北約130mの規模であり、周囲を堀・

土塁で五角形に区画していたことが明らかとなりました。また、かつては東側にも土塁

が残存しており、その外側には堀跡が巡っていたと推定されています。

 

 

 居館内部の発掘調査は未実施であることから、館が使用された時期に関しては正確に

わかっていないものの、中世の小村崎を治めた領主の居館であったと推察されている。

 

 館西側に隣接する「西小屋遺跡」でも大溝に囲まれた中世の屋敷跡が検出されてお

り、「西小屋館跡」と密接に関係した屋敷と推察されています。

 

 

 訪問した際、農作業をされていたので・・・お声がけして遺構に近づいてみました。

土塁・堀跡が良好に残存しておりました(^^♪

 

 未踏査の地ではなかなか場所を特定することも難しいケースがあるのですが・・・

「西小屋館跡」は案内板が幹線農道沿いに設置されていたこと、蔵王町では多くの遺跡

案内板が設置されていることもあって、《ちょっと走れば案内板がある》感覚でした。

 

 (参考資料)

   蔵王町文化財リーフレット➀ 円田盆地の遺跡群

   現地案内板