【 聖観音碑 】
高さ約180㎝、幅下部66㎝、中央75㎝。扁平な輝石安山岩製で、中央に自在菩
薩、右下に勢至菩薩、左下に普賢菩薩の観音三尊が半肉彫されており、地元では御賓頭
慮(おびんづる)さまと呼ばれ崇敬され、身体の具合が悪いときは碑の同じ部分を撫で
て祈れば治るとの言い伝えが残されている。
紀年銘はなく製作年代等は不明であるが、昭和29年(1954)8月、板碑研究
家・服部清道の検分から鎌倉時代末期頃の製作と推察されている。
江戸時代、碑は裏返しの状態で近くの堀の橋として使用されていたとの言い伝えも残
されており、馬に乗ったまま橋を渡ろうとした者の落馬が相次ぎ、不思議に思った村人
が橋を検めたところ観音三尊が現れたといい、洗い清めて現在地に祀られたという。
今なお地域住民によって祀られているのだろう。石碑周辺の雑草は綺麗に刈り取ら
れ、石碑も綺麗に清掃されている。地域の宝として今後も大切にしてもらいたいもので
ある。
(参考資料)
現地案内板