日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

臨江閣本館(群馬県前橋市)

 

  【 臨江閣本館 】

 

   所在地: 前橋市大手町3-15

 

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 木造二階建、入母屋造、桟瓦葺、数寄屋風建築。

 

 明治17年(1884)5月、群馬県令・楫取素彦の提言により、初代前橋市長・下村善太郎を始めとする地元有志や銀行等の企業の寄付によって、迎賓館として竣工され、同年9月に完成しました。

 

 利根川の流れに面し、妙義山浅間山などの山々を遠望する敷地のほぼ中央に建設されています。建築当時の棟札には、臨江閣本館90坪、附属家屋16坪であることが記されています。

 

 明治26年(1893)、明治天皇行幸の際に、行在所として使用されたほか、明治35年(1902)、明治42年(1909)には皇太子であった大正天皇が御滞在されるなど多くの皇族方が御滞在しています。

 

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            ( 天皇、皇族方の御座所 )

 

 昭和20年から昭和29年(1945~1954)、第二次世界大戦による戦災によって被災した前橋市庁舎の仮庁舎として使用され、その後は昭和56年(1981)までは前橋市公民館として、また結婚式などにも利用されました。

 

 さらに平成19年(2007)までは、公民館別館として利用されています。

 

 主屋部分は創建当時の面影を残しているが、玄関脇の留守居棟や奥にある便所納戸棟などの附属屋は増築されたものである。

 また外周のガラス戸は後に取り付けられたものであり、創建当時は雨戸であったとされます。

 

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 平成29年(2017)、改修工事を終えた「臨江閣本館」では、将棋の七大タイトルの竜王戦(第3局)が開催され、渡辺明(当時竜王)VS羽生善治(当時棋聖)の熱戦が繰り広げられました。

 

 (参考資料)

   前橋の文化財           前橋市教育委員会

   現地配付パンフレット

   現地案内板