日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

後閑三号墳(群馬県安中市)

 

  【 後閑三号墳 】

 

          所在地: 安中市下後閑209

 

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 九十九川と後閑川の合流点より下流約500mの九十九川左岸低地にあり、平成3年

(1991)、県営圃場整備事業に伴い、発掘調査が実施されている。

 

 墳丘規模は、根石部分で直径12.6m、基壇面より天井石上端までの高さ1.72m

のほぼ正円形で、基壇は直径20m、東南部分は一部攪乱を受けてはいるもののほぼ正

円である。

 

 主体部は羨道が玄室の主軸にほぼ直角に接続した平面T字型横穴式石室で、ほぼ南に

開口している。この平面T字型横穴式石室の形態は、この地域の代表的な古墳である簗

瀬二子塚古墳(6世紀初頭に東日本で最も早く横穴式石室を導入した前方後円墳であ

る)や下増田上田中一号墳との類似点であり、群馬県内でも類例の少ない貴重な遺構で

ある。このことから、後閑三号墳被葬者は当時の碓氷川上・中流域を支配していた首長

に次ぐ支配層であると推察されています。

 

 玄室内からは玉類、鈴鏡、馬具、鉄鏃などが出土し、基壇面には円筒埴輪列が廻り、

西側の小礫で区画された造り出し状の遺構からは、人物・馬・家・盾等の形象埴輪がま

とまって出土している。

 

 副葬品の碧玉製管玉などの遺物、石室の特徴などから築造年代は6世紀第1四半期と

推定されている。

 

 

 ありふれた円墳と思っていた「後閑三号墳」が、実は貴重な遺構を有していたと知っ

たのは、考古学を学んでから💦う~ん。本当に考古学という学問は奥が深い。

 

 皆さんの身近にもこうした史跡は溢れていますよぉ!!身近な史跡から改めて訪れて

みては如何でしょうかぁ(^^♪

 

 (参考資料)

 

   安中市文化財         安中市教育委員会

   現地案内板