日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

川俣締切阯(埼玉県羽生市)

 

  【 川俣締切阯 】

 

           所在地: 羽生市上新郷7066 道の駅 はにゅう内

 

 

 往古の利根川はこの地点で二又に分流しており、南へ流れる幹川(会の川)と東へ流

れる派川(浅間川)が存在していた。

 

 近世初頭の利根川東遷事業は、これまで文禄3年(1594)3月、忍藩主・松平忠

吉が家臣である小笠原三郎左衛門に命じて幹川を締め切らせたことに始まるとされてい

ましたが、近年の研究の深化によって忠吉による利根川東遷は忍藩の水害対策としての

治水という意味合いより、水運のための水路確保の意味合いが強かったとされている。

 

 現在では東遷事業の開始は元和7年(1621)、伊奈忠治の指揮下で行われた治水

事業とされ、佐沢(現在の大利根町)から旗井(現在の加須市)までの新川通、中田

(現在の茨城県古河市)と川妻(現在の茨城県五霞町)の間から境町(現在の茨城県

町)に至る赤堀川が開削されている。

 

 利根川常陸川河道への通水事業は、伊奈忠克へと引き継がれ、承応3年(1654)

に完成するが、松平忠吉の川俣締切はその発端として重要な意味合いを持っていたので

ある。

 

 

 「道の駅 はにゅう」に石碑が建立されているので、踏査の休憩や買い物の際に訪れて

みてはいかがでしょうか(^^♪

 

 川を挟んで対岸は群馬県。『上毛かるた』には「鶴舞う形の群馬県」と詠まれている

が首の位置に当たります。そんな地を流れる利根川をゆっくり眺めてみるのも良いかも

しれませんね(^^♪

 

 (参考資料)

   現地案内板