日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~

日本各地の埋もれた史跡などをご紹介致します。また、日本史跡研究会の活動についてもご紹介しております。

熊谷陸軍飛行学校 桶川分教場跡(埼玉県桶川市)

 

  【 熊谷陸軍飛行学校桶川分教場跡 】

 

   所在地:       桶川市川田谷2335-16

   入館料:           無 料

   休館日: 月曜日(祝日の場合はその翌日)毎月末日(日曜日の場合はその翌日)

       年末年始(12/27~1/5)

 

 

 昭和10年(1935)開校した熊谷陸軍飛行学校(現在の航空自衛隊熊谷基地)の

分校として、昭和12年(1937)、熊谷陸軍飛行学校桶川分教場は開校します。

 

 教官・学生以外は熊谷本校に雇用された地元住民(軍属)で、学校事務や飛行機の整

備・通信、気象把握などの業務に従事しています。

 

 他兵科から飛行兵への転属を希望してきた召集下士官学生を教育していましたが、次

第に戦局は悪化💦昭和18年(1943)3月以降は、陸軍少年飛行兵や学徒出陣によ

って召集された特別操縦見習士官などの教育にあたるに際して、兵舎が増築。

 

 昭和20年(1945)2月以降は、神風特別攻撃隊(俗に言う特攻隊)の訓練基地

として使用され、同年4月5日には陸軍初となる練習機での特攻となる第七十九振武隊

が鹿児島県知覧基地へと飛び立ちました。なお隊員12名は4月16日に沖縄に向けて

出撃し、11名が戦死しています。

 

 そして終戦。GHQの進駐を経て、建物は内部を改造して戦地からの引揚者のための

市営住宅・若宮寮として平成19年(2007)3月まで使用されました。

 

 その後、建物等の保存を求める要望書が桶川市に提出されたのを受け、桶川市は平和

を発信し、平和を尊重する社会の実現及び地域振興に寄与するための施設として敷地を

国から購入。令和2年(2020)まで復原整備工事を実施し「桶川飛行学校平和祈念

館」として開館しました。

 

                ( 兵舎棟 )

 

 

 死地に赴くために練習機に搭乗していた当時の若者たちの本心に思いを寄せたい施設

内部である。

 

 こうした戦争遺構が桶川市にあることを知り、多くの人に知っていただき、平和と

は?を考えてもらいたい。

 

 建物の維持・管理のための寄付を呼び掛けているのだが、こうした施設こそ公費(税

金)を投入すべきではないだろうか。

 

 桶川市はなかなか観光という土地柄ではないかもしれませんが・・・「熊谷陸軍飛行

学校桶川分教場跡」。是非訪れていただきたい施設ですm(__)m

 

 (参考資料)

   現地配付パンフレット

   現地案内板